訪問看護ステーションのお仕事

訪問看護ステーションとは？

訪問看護ステーションは、看護師や准看護師が利用者の自宅を訪れて、健康状態のチェックや療養指導、医療処置、身体介護などのサービスを提供する施設です。新生児から高齢者まで、幅広い年齢層を対象にしています。例えば、内科系の患者には疾患の管理と健康指導を行い、精神科疾患のある方にはメンタルヘルスのサポートを提供します。また、リハビリが必要な方には機能回復を目指した介入、終末期の患者にはターミナルケアを提供し、精神的支援も行います。

訪問看護師の働く場所

訪問看護師の主な就業場所は、訪問看護ステーション、病院、クリニックです。特に訪問看護ステーションの数は近年増加しており、2018年時点で9,676ヶ所に達しました。これらのステーションは地域に密着し、個々の利用者に合わせたケアを提供する基地として機能しています。利用者の健康管理だけでなく、家族のサポートや地域リソースの連携も行います。一方で、病院やクリニックでの訪問看護の数は減少傾向にあり、在宅医療の重要性が高まっている現在、訪問看護ステーションの役割がますます重要になっています。

訪問看護師として働くためには？

訪問看護師になるためには、看護師または准看護師の資格が必要です。一般的には3年以上の臨床経験が推奨されていますが、最近では新卒の看護師も増えており、訪問看護専門の研修や教育プログラムが整備されています。訪問看護は多職種との連携が不可欠であり、医師、ケアマネジャー、リハビリスタッフなどと協力しながら、利用者一人ひとりに合ったケアプランを作成し、実施する必要があります。この連携が訪問看護の特有の課題であり、チームワークが重視される職場環境です。

訪問看護師の仕事内容

訪問看護師の仕事は多岐にわたります。具体的には、利用者の健康状態の観察、日常生活のサポート、医療処置などを行います。例えば、バイタルサインのモニタリング、栄養管理、口腔ケア、排泄ケア、褥瘡の予防と処置、服薬管理、点滴やカテーテル管理、人工呼吸器の操作と指導などが含まれます。また、認知症や精神疾患のある利用者には、症状の管理や家族への支援を行い、リハビリでは機能回復や日常生活動作（ADL）の向上を目指します。ターミナルケアでは、終末期の利用者とその家族への精神的・感情的サポートを提供します。

訪問看護師の一日のスケジュール

訪問看護師の一日は、多忙で充実しています。朝のミーティングから始まり、利用者宅への訪問、ケアの実施、帰所後の記録作成や情報共有に至るまでが一般的な流れです。午前中には2～3件の訪問を行い、昼休憩後に再び2～3件の訪問を行います。訪問では、利用者の健康状態の評価や必要な医療処置、アドバイスを行い、家族とのコミュニケーションも重視します。日中は訪問記録の作成や次の訪問の準備、他の職員や主治医への情報共有が行われ、患者ケアの質の維持と向上に努めます。

訪問看護のメリットとデメリット

メリット

個別化されたケア: 利用者一人ひとりとじっくり向き合うことで、個別化されたケアを提供できます。
幅広い知識とスキル: 様々な症状や状況に対応するため、幅広い知識とスキルが身につきます。
柔軟な労働時間: 夜勤がなく、労働時間の柔軟性が高い点も大きな利点です。

デメリット

責任感と精神的プレッシャー: 一人での訪問のため、責任感が重く、精神的なプレッシャーを感じることがあります。
移動の大変さ: 自転車や車での移動が必要なため、悪天候時の訪問は大変です。

給料について

訪問看護師の給料は、他の看護職に比べて比較的高い傾向にあります。正職員の平均月給は約30万円から35万円、契約職員はそれより少し低く、パート・アルバイトでは時給が1,600円から2,000円程度が一般的です。夜勤手当がないため、昼間の勤務のみでこの水準の給料が得られる点は魅力の一つです。なお、本サイトの掲載企業様は月給【月給 48.9万円 ~】（年俸587.2万円以上）でご案内可能です。他の訪問看護ステーションと比較すると1.4倍以上高い給与でのご案内です。これは大きな検討ポイントと考えてください。

訪問看護に向いている人

訪問看護に向いている人は、利用者の生活に密接に関わることに喜びを感じ、臨機応変な対応ができる柔軟性を持っている人です。また、コミュニケーション能力が高く、多職種との協力を円滑に進めることができる人にも適しています。訪問看護は、利用者やその家族との信頼関係を築くことが重要であり、そのためには優れた人間関係スキルが求められます。さらに、訪問看護師はしばしば予期せぬ状況に直面するため、問題解決能力やストレス耐性も重要です。身体的な負荷が大きい場面もあるため、一定の体力を維持することも大切です。

服装と持ち物

訪問看護師の服装は、利用者の家庭への訪問という性質上、ナース服ではなく、動きやすく専門的な印象を与える私服や制服を着用します。清潔感を保ち、信頼感を与えることが大切です。持ち物には、医療機器（聴診器、血圧計など）、記録用紙、筆記用具、感染対策用品（アルコール綿、手袋など）が含まれます。これらは、利用者宅での効果的なケアと評価、適切な記録を行うために不可欠です。

まとめ

訪問看護師は、利用者とその家族に寄り添い、質の高いケアを提供することで、利用者の生活の質の向上に貢献します。この仕事は、看護の専門性と人間性を同時に求められるため、看護師としてのキャリアをさらに発展させたい方にとっては理想的な選択肢です。訪問看護師として働くことは、患者の家庭に直接関わりながら、多様な状況に対応する能力を身につけることができ、看護師としての深い専門知識と広い視野を得ることができます。高齢化社会の進展に伴い、訪問看護のニーズは今後も増加することが予想されるため、看護師として多様なキャリアを求める方には特におすすめの分野です。

参考URL:ケアーズキャリア～お仕事内容について

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