歯科衛生士の給与をもっと上げないと集まらない
私は神奈川県横浜市の歯科クリニックを切り盛りしているが、横浜市に限らず歯科衛生士の給与の安さには驚くばかりである。
一般的にキャリア4年以上の歯科衛生士であっても月給22万円程度、時給にすると1300円程度という安さだ
介護ヘルパーでも時給1700円ほど稼げる昨今、時給1300円の安さに酷い言いようがない。
実際に衛生士の求人サイトである、シカカラDH、クオキャリア、メディウェルなどの時給を見てみよう。
やはり総じて時給1300~1500円、月給にすると22万円~25万円程度
改めて確認してみよう、歯科衛生士は列記とした国家資格であり、その需要は求人倍率20倍ほどとも言われている
その様な希少な歯科衛生士が時給1300円という介護ヘルパーと比較しても圧倒的に安いのは明らかにバランスがおかしい。
流石にこれでは歯科衛生士の担い手を多く輩出する事は不可能である。
やりたがらないし、他の業種へに転職したいというのが普通の考えであろう。
では何故歯科衛生士の給与は上がらず、憤りすら感じるような求人を歯科クリニックは行うのか?
それは歯科クリニックの経営状態とマーケットが大きく影響している。
一般的に歯科クリニックが売上として生み出せるのが多くて月1000万円程度である。
これは一般診療及び自費診療も含めての売上である。
その内人件費率が20%~25%程度といわれている200万円~250万円である。
その他に家賃、水道光熱費、広告費、リース代などを含めると経営状況は楽とはいえない。
ところがこの様な歯科クリニックで成功しているいわれ、成功していない歯科クリニックは大多数をしめる。
結果として歯科衛生士を求人したところで、集まらないし、直ぐに辞めるという結末になる事が多い
もし歯科衛生士を潤沢に増やし、離職しない様にする場合は少なからず月給30万円以上、時給1800円は必至である。
それでも歯科クリニックは増え続け、歯科衛生士の給与は上がる事はない。
この歯科業界全体の大きな人員不足問題を解決する団体または事業者が発生しない限りは、歯科業界はダメになる。